山の斜面に幾重にも連なる棚田と段々茶畑は、静岡の里山が生んだ“人と自然の芸術”。田植えの頃の水鏡、夏の青々とした稲、秋の黄金色、そして新緑の茶畑——季節ごとに表情を変える絶景が広がります。この記事では、静岡で訪ねたい棚田と段々茶畑を、歴史や見どころとあわせて地元目線でまとめました。(アクセスやイベント日程は変わるので、お出かけ前に各公式でご確認ください)
静岡の「日本の棚田百選」は5か所
かつて農林水産省が選んだ「日本の棚田百選」に、静岡県からは5か所が選ばれています。久留女木・大栗安(浜松市)、荒原・下ノ段(伊豆市)、北山(沼津市)です。いずれも山あいの斜面に石垣や畦(あぜ)を積み重ねてつくられた、先人の知恵が詰まった景観。まずは代表的な棚田からご紹介します。
久留女木の棚田(浜松市)|竜宮小僧の伝説が残る棚田
観音山の斜面に約800枚の田が連なる、日本の棚田百選のひとつ。戦国武将・井伊直虎の井伊家ゆかりの地でもあり、今も井伊家家臣の末裔が耕作を続けると伝わります。近くの川の淵が龍宮に通じ、農作業を手伝う「竜宮小僧」の伝説が残るのも、この棚田ならでは。奥浜名湖の里山さんぽとあわせて訪ねたいスポットです。

大栗安の棚田(浜松市天竜区)|棚田と茶畑が同居する里山
神明山の中腹に481枚の田が広がる棚田百選のひとつ。特徴は、農地の約半分が茶畑だということ。稲の緑や黄金色と、茶木の深い緑が斜面に織り重なり、季節ごとに彩りを変えます。棚田と茶畑が同居する、静岡らしい里山風景が楽しめます。
千框の棚田(菊川市)|オーナー制度で守られるモザイク棚田
牧之原台地の西斜面に広がる棚田。最盛期には約3,000枚の小さな田がモザイク状に連なっていました。一度は荒れかけましたが、NPOや大学、地域の人々が協力して保全活動を続けています。毎年1月ごろに「棚田オーナー」を募集し、田植えや稲刈りを体験できるのも魅力。収穫した棚田米が受け取れます。
石部の棚田(松崎町)|駿河湾を見下ろす石積みの棚田
西伊豆・松崎町の海を望む斜面にある、約370枚の東日本では珍しい石積みの棚田。眼下に駿河湾が広がり、晴れた日には富士山や南アルプスまで望めます。2000年に耕作放棄地から再生された“復元棚田”で、オーナー制度や「灯り祭」などのイベントもあり、松崎町のシンボルになっています。
川根本町の段々茶畑|世界農業遺産「茶草場農法」の郷
大井川上流、南アルプスのふもとに広がる山里。大井川の川霧が茶樹を包み、良質なお茶を育てます。この地域に伝わる「茶草場(ちゃぐさば)農法」は、2013年に世界農業遺産に認定されました。秋冬に刈った草を茶畑に敷く昔ながらの農法で、生き物の多様性も守っています。新茶の芽が萌黄色に輝く4月中旬〜下旬がベストシーズンです。
牧之原台地の絶景茶テラス|天空の茶の間
日本一の製茶地帯・牧之原台地では、一面の大茶園を見渡す絶景テラス「茶の間(ちゃのま)」が人気です。山肌に幾重にも連なる茶畑を眺めながら、淹れたての一杯を味わえます。完全予約・少人数限定の貸切テラスもあり、特別な時間を過ごせます(利用方法は各運営の公式でご確認ください)。
よくある質問(FAQ)
Q. 静岡の「日本の棚田百選」はどこですか?
A. 久留女木・大栗安(浜松市)、荒原・下ノ段(伊豆市)、北山(沼津市)の5か所です。
Q. 棚田の見頃はいつですか?
A. 田植え後の水鏡が美しい5〜6月、青々とした夏、黄金色に実る9〜10月の稲刈り前が見どころです。
Q. 段々茶畑のベストシーズンは?
A. 新茶の新芽が萌黄色に輝く4月中旬〜下旬が特におすすめです。川根本町や牧之原台地で美しい茶畑景観が楽しめます。
Q. 棚田で田植えや稲刈りは体験できますか?
A. 千框の棚田(菊川市)や石部の棚田(松崎町)には棚田オーナー制度があり、田植え・稲刈り体験ができます。募集時期は各公式でご確認ください。
まとめ
棚田と段々茶畑は、急な斜面でも米やお茶を育ててきた先人の知恵が生んだ絶景です。水鏡の春、緑の夏、黄金の秋、萌黄の新茶——季節を変えて訪ねるたびに、新しい表情に出会えます。静岡の里山で、ゆったりと流れる時間を味わってみてください。
里山の恵みをお取り寄せ|静岡茶を楽しむ
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画像出典:石部の棚田 = Izu navi(CC BY 2.0)
牧之原の茶畑 = 久保嶋宏明(CC BY-SA 3.0)(Wikimedia Commons)


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