秋の静岡は、ドライブのために存在しているのではないかと思うほど条件がそろっています。空気が澄んで富士山がくっきり見え、茶畑は深い緑をたたえ、西伊豆の海には一年でいちばん美しい夕陽が沈む。この記事では、しずおかプレス編集部が「富士山麓・朝霧高原」「西伊豆の夕陽」「大井川・奥大井」の3本のモデルコースを、出発から帰路までの時間配分付きでご紹介します。立ち寄りたい道の駅、秋ならではの注意点(富士山スカイラインのマイカー規制明けの時期など)もまとめました。
🏨 秋ドライブは「泊まり」にすると別物になる
西伊豆の夕陽も奥大井の朝霧も、日帰りでは時間との戦いになりがち。紅葉シーズンの週末は土肥・寸又峡・富士宮周辺の宿から埋まっていくので、日程が決まったら先に空室だけ確認しておくのがおすすめです。
静岡の秋ドライブ3コース 基本情報
まずは3コースの全体像から。どれも県内発なら日帰り可能ですが、②と③は「泊まり」にすると満足度が大きく変わるコースです。
| コース | 主な道路 | 所要目安 | ベストシーズン | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| ① 富士山麓・朝霧高原 | 国道139号ほか | 半日〜1日 | 9月下旬〜11月(空気が澄む季節) | 富士山を大きく見たい・子連れ |
| ② 西伊豆夕陽コース | 西伊豆スカイライン(県道127号)・国道136号 | 午後半日+日没 | 9〜11月の晴れた日 | 絶景ワインディング・夕陽狙い |
| ③ 大井川・奥大井コース | 県道63号・国道362号ほか | 丸1日 | 10月下旬〜11月下旬(紅葉) | 茶畑・秘境・吊橋好き |
コース①|富士山麓・朝霧高原ぐるり(半日〜1日)

秋の富士山をいちばん手軽に、いちばん大きく浴びられるのがこのコース。国道139号を富士宮側から北上すると、視界の右側にずっと富士山が付いてきます。朝霧高原の名のとおり、早朝は霧が出やすいエリアですが、霧が晴れた瞬間の富士山は思わず声が出る迫力です。
- 9:00 新東名・新富士ICを出発、西富士道路経由で国道139号へ
- 9:30〜10:30 白糸ノ滝(滝つぼ周辺の散策で約60分)
- 10:45〜11:45 田貫湖。湖畔から富士山を正面に望む定番構図。ぐるり一周の散策も気持ちいい
- 12:00〜13:00 道の駅朝霧高原で昼食&牛乳ソフト(詳細は後述)
- 13:15〜15:00 まかいの牧場や朝霧高原の直線路をのんびり流す。ススキの草原と富士山の組み合わせは秋だけのごほうび
- 15:30 往路を戻る、または本栖湖方面へ抜けて周遊
体力と時間に余裕があれば、富士山スカイラインの周遊区間で森の中を走るのも爽快です。なお登山シーズン中(2026年は7月10日〜9月10日)は富士宮口五合目へ向かう登山区間にマイカー規制がかかるため、五合目まで車で上がりたい場合は規制明けの秋が狙い目。ただし秋の五合目は冷え込みが厳しく、例年11月下旬頃から冬期閉鎖に入るので、通行可否は事前に静岡県の道路情報で確認してください。
コース②|西伊豆スカイラインと夕陽の岬(午後〜日没)
「静岡でいちばん気持ちいい道はどこか」と聞かれたら、編集部は迷わず西伊豆スカイラインを挙げます。戸田峠から土肥峠(船原峠)まで、標高900m前後の稜線を約10.8kmにわたって走る道で、かつての有料道路が2004年に無料開放されたもの(現在は県道127号の一部)。左に駿河湾、振り返れば富士山という、信じがたい景色が続きます。
このコースの主役は夕陽。西伊豆町は2005年に「夕陽日本一宣言」をしている町で、ゴールの黄金崎は夕陽を浴びた断崖が文字どおり黄金色に染まる県指定天然記念物の景勝地です。秋の日没は17時前後と早いので、午後スタートでちょうどいい時間配分になります。
- 13:00 修善寺を出発、県道18号で戸田峠へ
- 13:40〜14:00 戸田峠・だるま山高原レストハウス周辺で駿河湾越しの富士山を一望
- 14:00〜15:00 西伊豆スカイライン走行。達磨山周辺の展望ポイントで写真タイム
- 15:15〜16:00 船原峠から国道136号へ下り、土肥の松原公園で小休止
- 16:15 黄金崎公園着。遊歩道と展望台を散策しつつ日没を待つ
- 17:00前後 夕陽ショーの本番。岬の岩肌が黄金色に染まる
黄金崎には馬の顔にそっくりな奇岩「馬ロック」もあり、明るいうちに着けばこちらも楽しめます。日没後の山道の帰路は暗く、鹿の飛び出しもあるので、帰りは国道136号〜伊豆縦貫道のルートで無理なく戻るか、土肥や堂ヶ島に一泊してしまうのが正解です。
コース③|大井川・奥大井 茶畑と紅葉の秘境路(丸1日)
3本のうち、いちばん「静岡らしさ」が濃いのがこのコース。大井川に沿って北上するにつれ、川沿いの茶畑、SLの汽笛、エメラルド色のダム湖と、景色がどんどん深くなっていきます。寸又峡の紅葉の見頃は例年10月下旬〜11月下旬、奥大井湖上駅周辺は11月中旬〜下旬。紅葉狙いなら11月の平日が最高です。
- 9:00 新東名・島田金谷ICを出発、大井川沿いを北上
- 9:40〜10:20 道の駅川根温泉で足湯休憩。運が良ければ鉄橋を渡る大井川鐵道のSLが見える
- 10:30〜11:30 川根本町の茶畑エリアを車窓観賞。「天空の茶産地川根」の看板が迎えてくれる山あいの茶畑は、静岡県民でも見とれる風景
- 11:45〜13:00 千頭駅周辺で昼食&散策
- 13:30〜15:30 寸又峡温泉に駐車し、徒歩で夢の吊橋へ(環状コースで約90分)。エメラルドグリーンのダム湖と紅葉のコントラストが圧巻
- 16:00 帰路へ。日没前に山間部を抜けるのが鉄則
地図上では静岡市から国道362号で千頭へ抜けるルートも見えますが、この道は山間部にセンターラインのない狭い未改良区間が断続する、いわゆる「険しい道」。すれ違い困難な区間もあるため、運転に自信のない方は素直に島田金谷ICからの大井川沿いルートをおすすめします。逆に狭路の運転が好きな方には、茶畑の中を縫う国道362号はたまらない道です。
立ち寄りたい道の駅|朝霧高原・くんま水車の里・川根温泉
秋ドライブの句読点になってくれる道の駅を3つ。いずれも「トイレ休憩のついで」で終わらせるにはもったいない場所です。
| 道の駅 | 場所・道路 | 名物 | 営業時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 道の駅朝霧高原 | 富士宮市根原・国道139号沿い | 朝霧高原の生乳を使った牛乳ソフト、アイス工房 | 売店8:00〜17:00、食堂9:00〜17:00(LO16:00) |
| 道の駅くんま水車の里 | 浜松市天竜区熊・国道362号方面の山あい | 「かあさんの店」の手打ちそば、そば打ち・五平餅作り体験 | おおむね9:00台〜16:00台(季節変動あり) |
| 道の駅川根温泉 | 島田市・県道63号沿い | 源泉かけ流しの日帰り温泉「ふれあいの泉」、足湯、SLビュー | 入浴9:00〜19:00(受付18:30まで) |
道の駅朝霧高原はコース①の昼食拠点にぴったり。標高が高く、駐車場から富士山がどんと見えます。くんま水車の里は浜松の山あいにある小さな道の駅で、地元のお母さんたちが打つそばが名物。国道362号を西へ走るロングドライブ派なら組み込みたい一軒です。川根温泉はコース③の行き帰りどちらに入れても機能する万能選手で、露天風呂から大井川鐵道の鉄橋が見えるという鉄道ファン垂涎の立地。営業時間や定休日は変わることがあるので、お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
秋ドライブの持ち物と車内準備チェックリスト
秋の静岡ドライブは「朝晩の冷え込み」と「早い日没」対策がすべて。山間部は市街地より体感でひと桁涼しく、寸又峡や朝霧高原では11月なら防寒着が必須です。編集部の定番装備はこちら。
- スマホの車載ホルダー:山間部はナビ確認の頻度が上がるので固定は必須。車載ホルダーを楽天で探す(楽天で探す)
- シガーソケット充電器(2口以上):写真を撮りまくる秋ドライブは電池の減りが早い。車載充電器を楽天で探す(楽天で探す)
- ブランケット・薄手のダウン:夕陽待ちの黄金崎、朝の朝霧高原で効く
- 保温ボトル:道の駅で買ったお茶を淹れて絶景ポイントで一服、が静岡流。保温ボトルを楽天で探す(楽天で探す)
- 酔い止め:国道362号や西伊豆の山道はカーブが多め。同乗者用に
- 現金少々:山間部の駐車場や小さな売店はキャッシュレス非対応のことも
🚗 ドライブのお供、出発前にそろえておきませんか
車載ホルダーや充電器は「現地で困ってから」では手遅れになりがちなアイテム。楽天ならまとめて翌日には届くので、週末のドライブに間に合います。
秋ならではの注意点|規制・冬期閉鎖・日没時刻
秋の山岳ドライブは景色が最高な一方、押さえておくべき注意点が3つあります。
1. 富士山スカイラインの規制スケジュール。富士宮口五合目へ上がる登山区間は、2026年は7月10日〜9月10日の登山シーズン中マイカー規制。規制明けの9月中旬〜11月が自家用車で五合目へ行けるチャンスですが、降雪状況により冬期閉鎖が早まる年もあります。通行可否は静岡県公式サイトの富士山周辺道路情報で直前に確認を。
2. 日没の早さ。11月の静岡の日没は16時台後半まで早まります。山間部は日没の1時間前から急に暗くなるので、コース③のような山道は「16時までに主要区間を抜ける」を目安に組むと安全です。
3. 紅葉シーズンの混雑。寸又峡は紅葉の最盛期(11月中旬の土日)に駐車場待ちが発生しがち。朝9時台に現地入りするか、平日を狙うのが編集部のおすすめです。
よくある質問(FAQ)
西伊豆スカイラインの通行料はかかりますか?
かかりません。かつては有料道路でしたが2004年に無料開放され、現在は静岡県道127号の一部として終日無料で通行できます。ただし冬期は路面凍結の可能性があるため、晩秋以降は路面状況に注意してください。
運転初心者でも3コース走れますか?
コース①(朝霧高原)は道幅の広い国道が中心で初心者向きです。コース②は西伊豆スカイラインがカーブの多い山岳路、コース③は区間によって道が狭くなるため、山道に慣れてからのほうが楽しめます。特に国道362号の山間区間は狭路が続くので、初心者は避けて大井川沿いのルートを選びましょう。
紅葉の見頃はいつですか?
寸又峡は例年11月上旬〜下旬、奥大井湖上駅周辺は11月中旬〜下旬が見頃です。標高の高い朝霧高原周辺や西伊豆の稜線は、紅葉よりも「澄んだ空気と富士山・夕陽」が主役なので、9月下旬〜11月まで長く楽しめます。
電気自動車(EV)でも回れますか?
回れますが、山間部は充電スポットが少なめです。特にコース③の奥大井方面は市街地で満充電にしてから入るのが安心。山道は登りで電費が悪化する一方、下りで回生できるので、往路の残量に余裕を持たせておきましょう。
3コースを1泊2日でつなげられますか?
①と②の組み合わせがおすすめです。1日目に朝霧高原を回って昼過ぎに伊豆へ移動し、夕方に西伊豆スカイライン〜黄金崎で夕陽、土肥泊。2日目はゆっくり海沿いを南下、というプランなら移動に無理がありません。③は単体で丸1日確保するのが満足度の高い回り方です。
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まとめ
秋の静岡ドライブは、①富士山を浴びる朝霧高原、②稜線と夕陽の西伊豆、③茶畑と紅葉の奥大井、と方向性のまったく違う3コースがそろっているのが強みです。どれか1本なら、初めての方には時間配分に余裕のあるコース①を、走り好きにはコース②をおすすめします。
共通のコツは「早出・早着」。秋は日没が早く、山間部は暗くなると一気に走りにくくなります。午前中に距離を稼ぎ、午後は道の駅と絶景ポイントでのんびり、日没前に山を下りる。この組み立てだけ守れば、あとは静岡の秋が全部やってくれます。
紅葉シーズンの週末は宿も駐車場も争奪戦です。この記事で行きたいコースが決まったら、宿と車内グッズの準備だけは今日のうちに済ませてしまいましょう。
▼ 出かける前にやること3つ


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