「富士山が白くなった」——静岡の秋は、この一言で季節が一段進みます。富士山の初冠雪は、甲府地方気象台が観測・発表する正式な季節の記録で、平年日は10月2日。ただし近年は遅れる年が続き、2025年は10月23日、2024年は観測史上最も遅い11月7日でした。この記事では、初冠雪の仕組みと過去の記録、2026年はいつごろになりそうかの見方、そして雪をかぶった富士山を静岡側からきれいに眺められるスポットをまとめます。
富士山の初冠雪 基本情報
| 観測・発表 | 甲府地方気象台(山梨県甲府市)が目視で観測し発表 |
|---|---|
| 定義 | 富士山特別地域気象観測所(山頂)の日平均気温の最高値が出た日より後に、山頂付近が雪などで白く見えた初めての日(麓の気象台から見えることが条件) |
| 平年日 | 10月2日 |
| 近年の記録 | 2025年:10月23日(平年より21日遅い)/2024年:11月7日(観測史上最も遅い) |
| 遅い記録の上位 | 11月7日(2024年)、10月26日(2016年)、10月25日(1955年)、10月23日(2025年)など |
| 見頃 | 初冠雪直後は雪が消えることも多く、山頂が安定して白くなるのは例年11月以降 |
初冠雪とは|「白く見えたら初冠雪」ではない
初冠雪には明確なルールがあります。観測するのは山梨県側の甲府地方気象台で、「富士山山頂の観測所で日平均気温の最高値が出た日より後」に、山頂付近が雪やあられで白く見えた最初の日が初冠雪。だから9月にうっすら白くなっても、そのあとで山頂がもっと暖かい日を記録すれば見直されます(実際、2021年には9月7日にいったん観測された初冠雪が、その後9月20日に日平均気温の最高値が出たため見直されました)。また、麓から見えることが条件なので、雲に隠れていれば山頂に雪があっても観測されません。
ややこしいのは、山梨県富士吉田市が独自に発表する「初雪化粧宣言」との違い。こちらは市が富士山の雪化粧を宣言するもので、気象台の初冠雪とは別の仕組みです。ニュースで「初雪化粧」と「初冠雪」の両方を見かけるのはこのためで、公式の観測記録を確認するなら、甲府地方気象台の初冠雪を基準にすると分かりやすいでしょう。
2026年の初冠雪はいつ?読み方のコツ
平年は10月2日ですが、2024年・2025年と2年続けて10月下旬〜11月にずれ込みました。初冠雪の時期は、秋の気温や山頂付近の降雪、そして麓から山頂が見えるかどうかに左右されます。2026年がいつになるかは現時点では予測できませんが、平年の10月2日を基準に、近年は10月下旬〜11月にずれ込む年もある、と構えておくのが現実的です。静岡側から「自分の目で確認」したいなら、山頂付近で降雪があり、翌朝晴れる予報の日をチェックしてみてください。朝の澄んだ空気のときに、富士山の見える場所へ出かけるのがおすすめです。

雪をかぶった富士山を静岡側から眺める名所
静岡側は、海や湖と一緒に富士山を眺められるスポットが豊富です。初冠雪のあと、空気が澄んでくる秋から冬にかけてがベストシーズンです。
田貫湖(富士宮市)|湖面に映る「逆さ富士」
朝霧高原の田貫湖は、風のない朝に湖面へ富士山が映り込む「逆さ富士」の名所。白い山頂が水面に映る景色は、冠雪後にこそ見たい一枚です。キャンプ場があり、早朝の撮影にも向いています。
三保松原(静岡市清水区)|松林と駿河湾越しの富士
世界文化遺産・富士山の構成資産でもある三保松原は、駿河湾の向こうに富士山を望む定番スポット。海と松林と雪の富士山が一枚に収まる、静岡ならではの構図です。
日本平・日本平夢テラス(静岡市)|清水港と富士山を一望
標高300mほどの丘から、清水港・駿河湾・富士山を一望できる展望地。屋外の展望回廊は終日入場可能なため、朝焼けに染まる冠雪の富士山を狙えます。
薩埵峠(静岡市清水区)|広重の浮世絵を思わせる眺望
東海道の難所として知られ、歌川広重の浮世絵にも描かれた薩埵峠。駿河湾や東名高速道路などの向こうに富士山がそびえる構図は、静岡を代表する富士山ビューのひとつです。
十国峠(函南町)|伊豆側から見る冠雪の富士
伊豆と箱根の境にある十国峠からは、愛鷹山の向こうに富士山がどっしりと構えます。伊豆旅行と組み合わせて冠雪の富士山を見たい人におすすめです。なお、山麓と山頂を結ぶケーブルカーは老朽化のため2027年夏に新型スロープカーへ更新される予定で、工事に伴う運休が設けられる可能性があります。訪問前に公式サイトで運行状況をご確認ください。
きれいに見るコツ|朝・寒気・空気の透明度
- 朝がいちばん。日中は雲が湧きやすく、午後になると山頂が隠れがち。日の出前後から午前中が勝負です
- 山頂に降雪があった翌朝を狙う。冷え込んだ翌朝は空気が澄み、白さが際立つことがあります
- 雨上がりも狙い目。空気が澄み、富士山が見えやすくなることがあります
- ライブカメラで確認してから出発。富士山のライブカメラは自治体や観光団体が複数公開しています。出かける前に山頂が見えているか確認すると空振りを防げます
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年の富士山の初冠雪はいつですか?
A. 現時点では予測できません。平年日は10月2日ですが、2025年は10月23日、2024年は11月7日と遅い年が続いています。発表は甲府地方気象台が行うので、ニュースや気象台の発表をご確認ください。
Q. 初冠雪のあと、すぐ雪は見られますか?
A. 初冠雪直後の雪は薄く、晴天が続くと消えてしまうこともあります。山頂が安定して白く見えるようになるのは、例年11月以降が目安です。
Q. 静岡側と山梨側、どちらから見るのがきれいですか?
A. どちらにも良さがありますが、静岡側は駿河湾や田貫湖など「水と一緒に富士山を見る」構図が魅力です。三保松原・日本平・薩埵峠・田貫湖は、いずれも冠雪期に人気のスポットです。
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まとめ
富士山の初冠雪は、甲府地方気象台が発表する秋の公式記録。平年は10月2日ですが、2024年11月7日・2025年10月23日と遅い年が続いています。初冠雪の発表後は、天気やライブカメラを確認して、田貫湖・三保松原・日本平・薩埵峠・十国峠へ出かけてみてください。静岡側ならではの「海や湖と白い富士山」に出会えます。


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