静岡の祭り文化そのものに興味がある方、特に県西部(遠州)の祭りがなぜ熱いのかを知りたい方は、姉妹記事の文化解説ピラーをどうぞ。
▶ なぜ遠州のお祭りは”異常に”熱いのか?静岡県西部が祭り狂いになった歴史的理由
360年続く”おてんのさん”——富士市が1年で最も熱くなる2日間
「おてんのさん、今年もやるぞ!」
毎年6月、富士市吉原の商店街にこの声が響くと、街は一気にお祭りモードに切り替わる。
吉原祇園祭は、万治3年(1660年)に始まった360年以上の歴史を持つ祭り。地元では「おてんのさん」の愛称で親しまれ、東海一の祇園祭と称されるほどの規模を誇る。
全国的にも珍しい21台もの山車が商店街を練り歩き、けんか神輿が暴れ回り、200軒を超える露店が軒を連ねる。
この記事では、2026年の開催情報から見どころ、駐車場・アクセスまで、初めて行く人も地元民も使える完全ガイドをお届けする。

2026年の開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 祭り名 | 吉原祇園祭(よしわらぎおんさい) |
| 開催日 | 2026年6月13日(土)・14日(日) |
| 時間 | 山車引き回し 13:00〜15:00/18:00〜21:00 |
| 会場 | 吉原本町通り一帯(吉原商店街) |
| 主催 | 吉原25町・6神社 |
| 露店数 | 約200〜250軒 |
| 入場料 | 無料 |
なぜ”東海一”と呼ばれるのか?3つの見どころ
見どころ1:21台の山車が競り合う「山車の競演」
吉原祇園祭の最大の魅力は、町ごとに異なるデザインの21台の山車が一堂に会すること。各町が代々受け継いできた山車には、漆塗りの装飾や精緻な彫刻が施され、一台一台が芸術作品のような存在感を放つ。
圧巻は夜の「山車の競演」。20:15から吉原本町通り3カ所で行われ、お囃子と太鼓の音が重なり合いながら山車同士がぶつかりそうな距離まで接近する光景は、見ている側の心拍数まで上がる。
見どころ2:荒ぶる「けんか神輿」
吉原祇園祭の神輿は、祭神・牛頭天王(スサノオノミコト)の神輿だけあって「けんか神輿」と呼ばれるほど荒々しい。
神輿に付いている笹を抜き取り、家の玄関先に飾ると厄払いになるという蘇民将来伝説に基づく言い伝えがある。古い笹と毎年取り替えて1年間の無病息災を祈るのが地元の習わしだ。観客席まで熱気が伝わるほどの迫力で、祭りの興奮を最も肌で感じられる瞬間だ。
見どころ3:200軒超の露店ロード
吉原商店街に沿ってずらりと並ぶ露店は200軒以上。定番の屋台グルメはもちろん、富士宮やきそばなど地元グルメのキッチンカーも出店する。昼間は露店を食べ歩き、夕方から山車を楽しむのが王道の過ごし方。
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タイムスケジュール(例年の目安)
1日目(土)
- 13:00〜15:00 山車引き回し(昼の部)
- 18:00〜21:00 山車引き回し(夜の部)
- 20:15〜20:50 山車の競演(3か所)
2日目(日)
- 日中 神輿渡御・宮太鼓競演・女神輿
- 18:00〜21:00 山車引き回し(夜の部)
- 20:15〜20:50 山車の競演(フィナーレ)
アクセス・駐車場情報
電車で行く場合(おすすめ)
- 岳南電車「吉原本町駅」下車すぐ — 会場の目の前。圧倒的に便利
- JR東海道線「吉原駅」から岳南電車に乗り換え、2駅
車で行く場合
- 東名高速 富士IC → 国道139号経由 約3km(通常時約10分)
- 新東名高速 新富士IC → 約7分
駐車場の注意点:会場周辺は交通規制がかかるため、少し離れた場所に停める必要がある。富士市役所周辺の臨時駐車場が例年開放される。土曜夕方以降は混雑必至なので、16時前には到着したい。
交通規制
吉原商店街の中心部は13:00〜21:00に車両通行止め。南北の通行はラクロス吉原前のスクランブル交差点か、吉原中央駅の交差点まで迂回が必要。
360年の歴史——「おてんのさん」はなぜ始まった?
吉原祇園祭のルーツは、平安時代に疫病退散を祈った祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)。京都の祇園祭と同じ精神が、東海道を経由して吉原の地に根付いた。
具体的な始まりは万治3年(1660年)。問屋場の主人が天神様に願をかけ、無事に務めを果たしたお礼として社殿を寄進。その年の天神祭礼で、依田橋の住人が船に車輪をつけて引き回し、大いに盛り上がったのが山車の起源とされている。
江戸時代の吉原宿は東海道の宿場町として栄え、人と物が行き交う分だけ疫病のリスクも高かった。人々は天王社(現在の6神社)の祭神・牛頭天王(スサノオノミコト)に疫病退散を祈り、祭礼を行うようになった。これが「おてんのさん(お天王さん)」の由来だ。
現在は吉原の25町と6つの神社が合同で祭礼を行う形になっており、各町が競い合うように山車を磨き上げ、引き継いできた。360年以上の間、途切れることなく続いてきた。それ自体が、この街の誇りの証だ。
詳しくは 遠州の祭り文化が”異常に”熱い理由 をどうぞ。
初めて行く人へ|楽しみ方のコツ
- 夜がメイン:昼も楽しめるが、山車に提灯が灯る夜の部は別格。18時以降が本番
- 岳南電車を使うべし:車は渋滞+駐車場探しで消耗する。電車なら駅を出た瞬間から祭りの雰囲気を楽しめる
- 20:15の競演は必見:山車同士が至近距離で競り合う迫力は圧巻
- 歩きやすい靴で:商店街は人混みで身動きが取りにくい。サンダルは危険
- 笹をもらおう:けんか神輿に付いている笹を抜き取れたら厄払いのラッキーアイテム。玄関先に飾って1年間の無病息災を祈る
周辺スポット
祭りの前後に立ち寄れるスポットも紹介。
- 岳南電車:全線乗っても片道20分。工場夜景とレトロな車両が魅力のローカル線
- 富士山本宮浅間大社:車で約20分。富士山の麓に鎮座する全国1,300余の浅間神社の総本宮
- 吉原商店街の普段の姿:シャッター街からの復活を目指す地元の取り組みも面白い
まとめ|2026年は吉原祇園祭へ行こう
21台の山車、けんか神輿、200軒の露店。
富士市吉原で360年以上続く「おてんのさん」は、静岡県内でも屈指の祭りでありながら、県外にはまだあまり知られていない穴場的存在だ。
6月第2週の週末、富士山のふもとで東海一とも称される祇園祭を体験してみてはいかがだろうか。
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