下田ペリーロードとは|幕末開国の舞台を歩く石畳の散歩道
伊豆半島の南端に位置する下田市は、日本が世界へ扉を開いた「開国」の舞台として知られる港町です。その象徴ともいえるのが、平滑川(ひらなめがわ)沿いに続く石畳の散歩道「ペリーロード」。1854年(嘉永7年)にペリー提督率いる黒船艦隊が来航し、ここ下田で日本の歴史が大きく動きました。ペリー一行が下田港から応接所となった了仙寺へと向かった道すじが、現在ではおよそ700メートルにわたる風情ある遊歩道として整備され、多くの旅行者を惹きつけています。
川沿いにはガス灯や柳が並び、なまこ壁の蔵や大正ロマンただよう洋館、古民家を改装したカフェや雑貨店が軒を連ねます。歴史の重みとレトロで穏やかな空気が同居する街並みは、ただ歩いているだけで非日常の旅気分に浸れる場所です。この記事では、ペリーロードの成り立ちや見どころ、周辺の歴史スポット、下田駅からの散策モデルコースまで、初めて訪れる方にも分かりやすくご紹介します。

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県下田市(了仙寺前〜下田公園方面、平滑川沿い) |
| アクセス | 伊豆急行「伊豆急下田駅」から徒歩圏内(駅から了仙寺方面へ徒歩約15分) |
| 散策距離 | 川沿いの石畳区間はおよそ700メートル前後 |
| 所要時間の目安 | 歩くだけなら30分ほど、カフェやショップ、周辺の寺社を巡るなら1〜2時間 |
| 散策料金 | 散歩道の通行は無料(各施設・寺院の拝観料は別途) |
| ベストシーズン | 通年で楽しめますが、初夏のあじさいや柳の新緑、黒船祭のある5月がとくに人気 |
ペリーロードの見どころ
ペリーロードの成り立ち|黒船艦隊が了仙寺へ向かった道
ペリーロードという名前は、アメリカの東インド艦隊を率いたマシュー・ペリー提督に由来します。ペリーは1853年(嘉永6年)に浦賀へ来航して開国を要求し、翌1854年(嘉永7年)に再び来航しました。同年に横浜で日米和親条約(神奈川条約)が結ばれると、下田はその開港地のひとつとなります。ペリー一行が下田港に上陸し、応接所として使われた了仙寺へと歩いた道が、この平滑川沿いの散歩道だと伝えられています。かつて幕末の緊張感が張りつめたであろう道を、今はのんびりと散策できるのですから、歴史好きにはたまらない場所です。
石畳とガス灯・柳の街並み|歩くだけで絵になる風景
ペリーロードの魅力は、なんといってもその風情ある景観です。足元には石畳が敷かれ、川沿いには柳の木が枝を垂らし、夕暮れ時にはレトロなガス灯が灯ります。伊豆石やなまこ壁を用いた古い建物が点在し、どこを切り取っても絵になる街並みが続きます。川面に映る柳と建物の姿は、まるで時間がゆっくり流れているかのよう。写真好きの方なら、シャッターを切る手が止まらなくなるはずです。平日の朝や夕方など、人の少ない時間帯を狙うと、より静かな下田情緒を味わえます。
古民家カフェ・雑貨店・ギャラリー|レトロな街歩きの楽しみ
ペリーロード沿いには、築100年を超えるような古民家や蔵をリノベーションしたカフェ、雑貨店、ギャラリーが点在しています。木の温もりを感じる店内でコーヒーを味わったり、作家ものの器やアクセサリーを眺めたり、散策の合間に立ち寄れるスポットが充実しています。個性豊かな店主が営む小さなお店が多く、一軒ずつのぞいて回るのも旅の醍醐味です。季節ごとに店の顔ぶれや雰囲気も少しずつ変わるので、何度訪れても新しい発見があります。
了仙寺|黒船と開国を今に伝える寺
ペリーロードの起点近くにある了仙寺(りょうせんじ)は、下田開国の歴史を語るうえで欠かせないお寺です。1854年(嘉永7年)、日米和親条約の付録として細目を定めた「下田条約」が、この了仙寺の本堂で調印されました。ペリー一行の応接所として使われた由緒あるお寺で、境内は幕末の重要な外交の舞台となった場所です。寺に併設された「MoBS 黒船ミュージアム」では、ペリー来航や黒船、開国にまつわる資料を数多く展示しており、教科書で学んだ歴史をより深く知ることができます。歴史の現場に立ってみると、当時の緊張感や時代の転換点が肌で感じられます。
ペリー上陸記念碑・下田開国の歴史|港町がたどった物語
下田港のほとりには、ペリーの上陸を記念する「ペリー艦隊来航記念碑」やペリー提督の像が建てられており、ペリーロードと合わせて訪れたいスポットです。下田は、江戸時代の終わりに日本が世界へと開かれていった最初の窓口のひとつであり、開国にまつわる史跡が街のあちこちに残っています。1854年の日米和親条約によって下田が開港し、のちにアメリカ総領事タウンゼント・ハリスが玉泉寺を拠点に日本で初めての領事館を構えたことも、この街の歴史を語るうえで欠かせません。港町・下田を歩くと、日本の近代の始まりに触れることができます。
あじさいなど四季の彩り|季節ごとに変わる下田の表情
下田は花の名所としても知られ、季節ごとに違った表情を見せてくれます。初夏には下田公園を中心に無数のあじさいが咲き誇り、あじさい祭が開かれます。梅雨どきの雨に濡れたあじさいと石畳のしっとりとした風景は、この時期ならではの美しさです。ほかにも、初春には爪木崎の水仙、夏には青く澄んだ海と、一年を通して自然の彩りを楽しめます。訪れる季節によって印象が大きく変わるので、目的の花や景色に合わせて旅の計画を立てるのがおすすめです。
散策モデルコース&アクセス|下田駅から徒歩でめぐる
ペリーロードは伊豆急下田駅から徒歩圏内にあり、車がなくても十分に楽しめるのが魅力です。ここでは、駅を起点に半日で歴史とレトロな街並みを味わえるモデルコースをご紹介します。
- 伊豆急下田駅からスタート:改札を出たら、了仙寺・下田公園方面へ徒歩で向かいます。道中にも下田らしいレトロな商店街や史跡が点在しています。
- 了仙寺・MoBS黒船ミュージアム:まずは下田条約が調印された了仙寺へ。境内とミュージアムで開国の歴史を学び、旅の背景を頭に入れておくと、このあとの街歩きがぐっと味わい深くなります。
- ペリーロードを散策:了仙寺から平滑川沿いの石畳へ。柳とガス灯の並ぶ道をのんびり歩き、気になるカフェや雑貨店に立ち寄りながら港方面を目指します。
- 宝福寺・ペリー上陸記念碑へ:坂本龍馬ゆかりの寺として知られる宝福寺や、港のほとりのペリー艦隊来航記念碑を巡り、下田開国の物語を締めくくります。
- 下田公園で締めくくり:時間と体力に余裕があれば、あじさいで有名な下田公園まで足を延ばし、港を見下ろす高台からの眺めを楽しみましょう。
徒歩でのんびり回っても半日ほど。距離が長くないので、下田の海の幸を味わうランチや温泉と組み合わせれば、日帰りでも泊まりでも充実した伊豆旅になります。
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